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悲恋おかる勘平

652 バイト除去, 2014年11月4日 (火) 07:52
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{{Cinema|制作=松竹|公開=1956|内蔵助=中村時蔵3rd|星=2|頃=}}
[[画像:hiren.jpg|thumb|公開当時のパンフレット]]
残念ながら2012年5月現在見ていないのだが、武勇伝ではなく、悲恋もの(で、イイトコなし)という特殊なくくりのスピンアウトである本作を、どうしてもおはなししたくて、レビューではなく、ご紹介(というか、おうわさ)であります。[[通し狂言 仮名手本忠臣蔵|仮名手本忠臣蔵]]の五段目と六段目にあたる、お軽&勘平の悲劇を映画化したもので、30でこぼこの勘平を24歳の萬屋錦之介(当時:中村)が演じている、ラブストーリー忠臣蔵。
[[通し狂言 仮名手本忠臣蔵|仮名手本忠臣蔵]]の五段目と六段目にあたる、お軽&勘平の悲劇を映画化したもので、30でこぼこの勘平を24歳の萬屋錦之介(当時:中村)が演じている。
映画化するにあたって、[[桃井若狭助]]や鶴岡八幡宮、[[吉良上野介|高師直]]の[[阿久里/瑤泉院|顔世御前]]への横恋慕やラブレターのやりとり一切がカットされて(でしょうな)、かわりに[[阿久里/瑤泉院|阿久里]]が赤穂明神のお札を江戸城までお軽に託すという新しいエピソードを用意して、そこらへんのタイミングで松乃廊下事件が起こる設定になっている。が赤穂明神のお札を江戸城までお軽に託すという新しいエピソードを用意して、そこらへんのタイミングで松乃廊下事件が起こるアレンジになっている。
とにかくマジメ一貫のキャラ・勘平くんはおかると彼女の実家に引っ込んだあと猟師をしてるが、茶店でお家断絶のうわさを聞いてお軽一家とミズさかずきして赤穂城に駆けつけるけど門前払いされて、あげく無血開城ってことで悲嘆に暮れてすごすごお軽ンちに戻り、心を閉ざして日ごとに荒れていく。とにかくマジメ一貫のキャラ・勘平くんはおかると彼女の実家に引っ込んだあと猟師をしてるが、茶店でお家断絶のうわさを聞いてお軽一家とミズさかずきして赤穂城に駆けつけるけど門前払いされて、あげく無血開城ってことで悲嘆に暮れてすごすごお軽ンちに戻り、「猟師頑張ります!」とカラ元気。
そんなある日[[神崎与五郎]]から内蔵助が殿さまの石牌建立の話を聞き、舅・[[与市兵衛]]に十両の金策をたのむ。
お軽は茶屋に売られる。与市兵衛は売った金を定九郎に強奪され殺される。勘平は定九郎を誤射するが警察に通報するでもなく、あろうことか死体がフトコロに飲んだ五十両をネコババする。なんだかんだで勘平切腹。…な、おなじみの内容だそうです。お軽は茶屋に売られる。与市兵衛は売った金を定九郎に強奪され殺される。勘平は定九郎を誤射するが警察に通報するでもなく、あろうことか死体がフトコロに飲んだ五十両をネコババする。なんだかんだで勘平切腹。…な、おなじみの内容。
この話は勘平を一途に愛するお軽と、愛娘の幸せをよろこぶ与市兵衛ら両親をよそに、シアワセとはほど遠いところで悩み苦しみ続ける勘平のコントラストがうまくいけばいいのだろうが、歌舞伎の事情(or歌舞伎の良さ)知らない人のサイト・レビューを見ると「なんじゃこの勘平というキャラは?」という、いささかマイナスな印象となっている。この話は勘平を一途に愛するお軽と、愛娘の幸せをよろこぶ与市兵衛ら両親をよそに、シアワセとはほど遠いところで悩み苦しみ続ける勘平=錦之介の初々しさが良いコントラストになっているが、女子と男子で大きく感想が分かれそう。
腕が立つわけでもなければ、かといって恋にも生きず、ウジウジしてたかと思うと急に農家のじいさんに金の無心をしたり死体からネコババしたりと、どこに魅力を見いだしてイイかわからない「勘平像」に、仮名手本を下敷きに持ってない観客はついていけないらしい。(でしょうな)女子で錦之介ファンなら後年を予見させる強さの中に、このウジウジ加減を織り交ぜて和事(わごと)を演じきってる若き錦之介はキラキラしてて、なかなかたまらないなかんじで映るようだが、男子で、おまけに歌舞伎の事情(or歌舞伎の良さ)知らない人のサイト・レビューを見ると、腕が立つわけでもなければ、かといって恋にも生きず、ウジウジしてたかと思うと急に農家のじいさんに金の無心をしたり死体からネコババしたりと、どこに魅力を見いだしてイイかわからないようすで「なんじゃこのキャラは?」という印象を持つようでございます。
(ま、概してラブストーリーの感想は男女でそんなふうに別れるものかもですな)
だめんずの魅力は、ご清潔な東映時代劇というよりも、ATGみたいなかんじじゃないと、うまく表現できないと思います。若いショーケンとか、原田芳雄がお似合いなキャラなんだと思う。勘平って。
(以下ネタバレ)
人形浄瑠璃や歌舞伎がこのだめんず・ストーリーをうまく人気商品に作れてるのは、緊張感の中にギャグをちりばめてるところだとか、[[鷺坂伴内]](映画ではカット)の圧倒的な存在感なのである。勘平の名は短冊に書かれて彼の槍とともに討ち入りで活躍。死んで参加する、討ち入り装束姿の勘平にじわっと来る。
昭和の映画人はマジメなのか、西洋のヒトが惹かれるような、エンターテインメントに欠かせないこうした要素は省いちゃうのであります。だから後世に残らない「なんじゃこら?」作品になっちゃう。歌舞伎でははっきりしないおかるの行く末は、生前の内蔵助に身請けされたあと瑤泉院のところで働くというかたちで丸く収まります。
(つか、なにしろ見ていないので、ほんとうはなんとも言えないのでありますが…)
ちなみに、定九郎のほうがサブキャラとして登場シーンが増やされ、松乃廊下事件の時に勘平を侮辱したり、浪人後は農家から小作米をぶんどる無頼漢として出番が多い。演じるは高木二朗さんというきわめてオッサン顔の人だが、定九郎にも錦之介ばりのイケメンを添えてもおたがいのキャラが際だったと思う。  それはそれとして、スチルに、討ち入り装束の早野勘平像を見ると、あたしみたいなファンは泣けちゃう。ちなみに、定九郎ももちろん登場(イノシシも小ぶりの可愛いのが出ます)するが、松乃廊下事件の時に勘平を侮辱したり、浪人後は農家から小作米をぶんどる無頼漢として出番が多い。演じるは高木二朗さんというきわめてオッサン顔の人だが、これはこれで良い定九郎でした。
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