赤垣源蔵

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作品概要
制作会社 日活
公開年度 1929年
内蔵助役 ---
評価 2ツ星


サイレント映画。

お兄さんと囲碁をやってる時に、主君の仇討ちはしないと、笑ってごまかす源蔵(もちろん作戦が外へ漏れないよう心がけたウソ)は勘当され、お兄さんのうちを出禁になるが、討ち入りの日、暇乞いに現れる。

お兄さんが留守なので、お兄さんの羽織に挨拶をする源蔵・・・

本当は弟が愛しいお兄さんは、自分が不在のときに対応に出てくれなかった(家族中が源蔵に会わないよう総スカンの上、逆さ箒までされる)奥さんを叱りつけ、悔やむ。

討ち入りは成功し、一党とともに泉岳寺へ向かう源蔵に、涙の家僕・常平が走り寄る。


…おなじみの「徳利の別れ」映像版。

目的を遂げんがために本懐を胸に秘め、日頃からつとめて豪快に笑ってみせようと心がける源蔵の姿がなかなか切なく、痛々しい。


さて、たとえばお兄さんが囲碁の勝負の最中にブチ切れ興奮した時に、源蔵の刀にお茶がかかってしまうシーンは、講談や浪曲にある、女中・お杉がお茶をこぼすシーンのバリエーションだが、退出した兄がふすまの向こうから、刀を心配する源蔵を嬉しそうに覗くシーンに字幕がフォローしないので、ファンじゃない人には、活弁士さんがいない(衛星放送、2020年1月の放送は無音)とよくわからないような場面もある。


とりたてて「こうだった」と、誰かに感想を聞いてもらいたくなるようなかんじでもなく、わりと講談でも浪曲でも各世代が泣ける「徳利」が、意外に映像作品ではハードルが高くなることを証明?するような作品。

監督の池田富保さんはのちにバンツマで「赤垣源蔵(改題 討入り前夜)」を撮っているが、新たなキャラを投入するなどして創意工夫している。