爆烈忠臣蔵
たいへん面白かったんですけど(劇団☆新感線のだしもの)、どこもかしこも良かったんで、どっからハナシたらいいのか…
まず、3階の天井席(Olympus 8×42 EXWP双眼鏡 持参)なのにチケ代が9,800円もするのだ。(ちなみに桟敷だと17,000円。強気!)
映写されるスクリーンが半分くらい見えない。花道は完全に見えない。本当なら噴飯ものであります。
…だったのに面白かったっていうのは、こりゃあ本当に面白かったんだなと。
どっから褒め始めたらいいのかわからないんですが、とにかく、小池栄子さんのファンになりました。
すばらしい。
設定よりもだいぶ若い役(主人公。ほぼ出ずっぱり)なんですけどコレを見事にやりきってる。
漫画から飛びでたような躍動感(まるでテレビ黎明期の虫プロのアニメみたい)。これを松本〜大阪〜東京でを50公演(強)続けてるとか、マジで神。
彼女の目が、昭和の漫画みたいに(><)に見えた瞬間さえあった。
劇団☆新感線。45周年という意気込み。「爆裂忠臣蔵」…というワードでボンヤリと感じる空気感がありますが、まずその期待を裏切らない内容。
じゅうぶんに爆裂していました。(ちなみにすみません。わたし新感線さん初見です💦)
(あらすじ)
山出しの右も左もわからない小娘が江戸へ出て芝居をやりたがるが、女性は役者を出来ない天保時代。
彼女はひょんなことから、実録物を劇化し、女優も活躍する「闇歌舞伎」が密かに上演される離れ小島で、支配者に会う。
やがて、小娘は難関を乗り越え、晴れて「大星由良之助を演じる役者になる」という夢に近づいていく・・・。
開始5分でその芝居が面白いかどうか、だいたいわかるとやら申しますが(わたしだけ?)、この芝居もまさにそうでした。
オープニング、定九郎を模したおいはぎが、夜の山道で旅人を襲うところから物語は始まるのだが、そこに助けに来るのが勘平(を模したグル)。旅人を逃がすテイで始まる定九郎と勘平の刀と鉄砲の対決が、見ごたえのある、ギャグアニメのようなテンポのシーンで、要はもう、この時点で「合格」なんです。
セットの転換なども含めて、オープニング〜タイトル登場(が、またいい)の段階で、どう身構えればいいのか、という警戒心を全部解除してもらえる。
忠臣蔵が下火とは言え、2025年11月現在、NHKの放送や、藤原竜也の芝居によって、来場者が「コレなら知ってる」というであろう定九郎を最初に持ってくるのはすごく心憎い構成だと思った。
その後も、無茶な設定も続くのだが、それが気にならないほど、センスや構成で楽しませ切ってくれる。
たぶん「爆裂」を具体化しているのは、登場人物全員が抱えているフラストレーションと、それを日常でどう爆裂させてるか、その絡み合いなのだと思う。
登場人物たちの織りなす、芝居興行というエネルギー。芝居をやりたいと焦がれる人間のエネルギー。権力と抵抗のエネルギー。そういうでかい爆裂に、恨み、差別、笑い、怒り、こだわり、歌と踊りといった細かい爆裂が幾重にもからみあう。
休憩を入れて4時間の大作だが、一瞬も退屈しなかった。
忠臣蔵は劇中劇だが、要所要所にすごくうまく入れてるのが、なにより気分が良い。
<附言>
ちなみに古田新太氏は、1995年に「忠臣蔵ブートレッグ」(スペースゼロ・プロデュース公演)という芝居をやっている(演出は今回と同じ、いのうえひでのり氏で、高田聖子さんも出て新感線みが強いが、高田さんは当時、お怪我をされて欠場されたとか)。
もりいは見ていませんが、その時の内容は、ほうぼうのサイトから拾うと…「映画「AKIRA」のサントラ曲を使ったダンスや殺陣のある、お客を巻き込んでの2時間半強で、最後赤穂浪士がゾンビ?」(要確認!笑)
「「あ~またやるのか、忠臣蔵」と思いました。 オイラは『忠臣蔵ブートレッグ』をやっているし、よそでもやっているから(註01)。日本人はみんな好きだよね、『忠臣蔵』が。」([爆裂忠臣蔵」公式サイトより)
註01…2025年は、思いつく限り"よそでやってる忠臣蔵"は…
宝塚OGによる朗読劇「忠臣蔵」。東京バレエ団『ザ・カブキ』。「近松忠臣蔵」(2.5次元俳優によるロック系)。團十郎の「裏表忠臣蔵」。「新春浅草歌舞伎」で落人。三月大歌舞伎「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」。歌舞伎名作入門「仮名手本忠臣蔵(二段目。九段目)」(新国立劇場中劇場)。上川隆也の明治座公演。扉座の「つか版・忠臣蔵2025」。北区AKT STAGE 解散公演「つか版忠臣蔵」。「元禄忠臣蔵の女たち」。名古屋をどりNEO傾奇者「元禄おんな忠臣蔵」。劇団鯱「やくざ忠臣蔵」(大衆演劇)。新川劇団「笑也祭り大忠臣蔵」(大衆演劇)。「増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和」。かわさきドリームミュージカル第2回公演「下平間の忠臣蔵」。「極上世界版 NEO忠臣蔵✨〜せっぷくぷくぷく…」。「志の輔らくご 真夏の大忠臣蔵」。「喬太郎・太福 忠臣蔵でござる~俵星玄蕃vsタラバガニ玄蕃~」。「喜楽館「忠臣蔵ウィーク」。「演芸大忠臣蔵2025」。
…などの上演があった。(なんか、すごいな2025年…)
<余談>
余すところ10公演を控えた、貴重な休演日(12月15日)に、小池栄子氏は放送開始から20周年を迎える「爆笑問題の検索ちゃん」(12/30放送)のMCに、出し殻みたいな様子&ガラガラ声で収録している。泣けてくる。(それまでに、9月中旬のまつもとをかわきりに、10月の大阪を経て50公演以上をこなしている。)
この人は大河ドラマで北条政子の大役のをやったあとも、女優ぶらずに、このお笑い番組を大切にし続けていて、なんだか、もう、泣けてくる。ファンになりました(その2)。