堀田隼人

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役者絵:田村正和

堀田隼人…1927年発表の大佛次郎の小説「赤穂浪士」のキャラ。社会に、懐疑と虚無しか感じていないニヒリストでアナーキストな浪人。上杉家に雇われる。架空のキャラとしては例外的にたくさん映像化されている。


トシは20代前半。腕が立ち、ひとクセある、鼻筋が通り彫りの深いまつげの長い、大友柳太朗とか林与一田村正和みたいな色男。

お父さんは立派な侍だったがお寺の材木の注文がイマイチだった罪で島流しに遭い、のこされた隼人とお母さんは貧乏暮らしを余儀なくされる。

どこにも仕官して無いし出世のアテもないし、イヌが尊ばれるような元禄の世を嫌い、「武士」としての希望もなく自暴自棄っぽくなって放火や人殺し(<そこそこ成り行きで)をしたりしてモヤモヤしてる時、大泥棒の蜘蛛の陣十郎に出会う。スカウトもあって一瞬魅力的に感じた泥棒業だったが計画していた仕事にことごとくケチが付き「泥棒やめちゃおっかな(なにもやってないけど)」と思っているところへ、ひょんな縁から小林平七(以前に殺した侍の朋友)のとりもちで千坂兵部を紹介してもらい手先となる。

駿府に隠れている陣十郎を誘って赤穂へのスパイへ出かける…


ニートが希望を失って破滅願望や自暴自棄で暴挙って、まるで現代の若者のようである。(なんかの雑誌には「昭和初期のインテリの倦怠感をよく反映している」とあったので、いつの世にもいるタイプ)


赤穂浪士 天の巻・地の巻」等で堀田を演じた大友柳太朗は、近代映画(臨時増刊 S31 no.133)の取材で「僕は堀田隼人のような不健康で非生産的な人間は嫌いですが、こういう人間が社会にどうして生まれるかということは理解しているつもり。(略)僕の役どころを広げるチャンスになると頑張ってます」と、語っている。


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