塞翁が馬でそうろ〜 赤穂浪士江戸(珍)潜伏期
作品概要 | |
制作会社 | 相州雅屋 |
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公開年度 | 2018年 |
内蔵助役 | 番藤松五郎 |
評価 |
やさしくて無害なコメディ。
作家兼演出家はチラシで堂々と日本史好き(特に赤穂事件と関ヶ原びいき)をうたっているだけあって、オープニング1分以内に「好き」が行間からにじみ出し、「ソッチのほう」が抜かりないことにまずはホッとする。
物語は松の廊下から季節がひとめぐりした、潜伏中の或る日(大石の江戸下向中)のこと。(90分)
そば屋の屋根裏部屋で寄り合いを始めようとしている浪士たちは大石内蔵助はじめ吉田忠左衛門、不破、安さんなどで。彼らが最初変名で呼び合ってたり、吉右衛門や甚三郎が混ざっている凝りようでワクワクする。「早く討ち入りてえなあ」「お艶ちゃん早く来ねえかなあ」大好物なお膳立てだ。
彼らを応援する女性たちも魅力的で地毛なのかウイッグなのか髷のかつらではなくキレイにおてんてんをまとめている見かけもひじょうに好感度が高い。
途中から浪士の真意を確かめに仙桂尼が梶川与惣兵衛を引き連れてこの隠れ家にやってきたり、討入衣裳の選定(火事装束。背中に誠と入った雁木模様のもの。祭りの法被w)があったりするが、特別に大きなハプニングが起こるわけではなくなんとなく面白い感じのムードの中、いろいろあってからみんなが決意を新たにして幕となる。
すごくかわいいパッケージなのに星の数がふるわないのは、見ているこっちのマインドと構成との相性(あくまで個人の感想です)?
最初からいろいろ散りばめられている布石は最終的にちゃんとが回収してくれるが、こっちが置き去りにされてる時間と舞台上の進行とのバイオリズムが合わない。あと「なんでこのシーンこんなに引っ張るんだろう」というシーンや「この間は?」という箇所もあった。
決定的にこちらとの距離を決めたのはギャグセン。わたし個人の好みの問題かもだがほどほどにソリが合わない。
タイトルに「失笑は美学だ!第2弾」とうたってるが、ギャグセンのいたらなさを居直ってるのだとしたらけしからんハナシである(笑)。
(それでも唯一、堀部ホリという名前をみんなで面白がり、彼女を呼ぶときみんなが「ねえホリベホリ」と言うシチュエーション〜当人が気にしてない〜は大好き。)
ともかく忠臣蔵を楽しそうに遊んでるようすはこっちもうれし楽しかった。